山陰でのキス釣り

島根県浜田市から山口県萩市にかけては美しい海岸線が続き、キスの好釣り場が多く、数・型ともに楽しめる。島根県益田市に妻の実家がある関係で、30年来、私の準ホーム・グラウンドになっている。今回、10月10、11日の連休に帰省し、「必殺キス篭定スペシャル」を使って山陰の秋ギスに挑んだ。

10日の朝、益田市に到着し、束釣りを狙って小浜海岸へ急いだ。途中、持石海岸を眺めると、北風が吹き、海はシケ気味で波が高い。これでは釣りにならないので外海での釣りはあきらめ、その近くの飯浦漁港で釣りを開始した。前日かなりの雨が降った影響で海には水潮が回り、濁って水の色が悪い。非常に食いが悪い予感がする。「篭定スペシャル」が効果を発揮するかどうかだ。

不安な気持ちで、波止から港内を狙って第１投目。仕掛けは、7号5本バリ、オモリは片テン20号、餌はイシゴカイ。オモリを着底させ、ゆっくり引くとすぐにアタリがでた。そのまま引いて追い食いを狙う。しかしアタリはその1回きりで、あとが続かない。仕掛けを上げると下バリに18cmのキスが掛かっていた。チモトの蛍光ピンクまでハリを深々と呑み込んでいる＝写真1＝。
1尾目のキスをゲットし不安は払拭されたが、数が気になる。今日は連で掛けるのは難しいかもしれない。

方向を変えて投げると今度はさらに良いアタリで22cmの良型キスがきた。設計どおり、理想的な形でハリが口の端にがっちり掛かっている＝写真2、写真3＝。これなら良型がきてもハリ外れの心配はなく安心できる。その後も、投入ポイントを変えるとアタリは出るが単発でのヒットのみ。10尾ほど釣ったところで山口県須佐湾へ移動した。

須佐湾では、まず湾奥や唐人墓周辺で投げたがキスのアタリは全くなく、釣れたのは10cmほどのチャリコだけだった。水の色は悪くないのにキスは何処へ行ってしまったのか・・・。これなら飯浦のほうがまだマシだったと思いながら須佐漁港へ移動し、波止から港内を狙った。ここでの仕掛けは、漁船係留のロープや海底のゴミを考慮して、ネガカリの少ない半遊動テンビン18号（ジェット型）にフロロ3号120cmを取付け、その先に7号2本バリを直結した。引いて釣るというよりは落とし込みで釣るというスタイルだ。

港の奥のほうへ少し遠投してオモリを着底させ、一呼吸おいて仕掛けを引き始めると、竿をひったくる強烈なアタリが出た。マゴチでも掛かったのだろうか？軽く合わせて巻き取りにかかると魚が首を振った。型の良いキスかもしれない。ドキドキしながら波止の上に抜き上げると、今回最長となる24cmのキスだった＝写真4＝。ハリの掛かりどころが気になってよく見ると、このキスも、ハリは口の端にしっかりと掛かっていた。これならまず外れることはない。

翌日も波が高い状態が続いたので、同じような釣りパターンで山口県江崎や須佐湾のペンション周辺でも竿を出し、23cmまでのキスを釣って終了した。今回は、初日に14尾、2日目に16尾と、数では今ひとつだったが、22～24cmの良型キスの強烈なアタリを十分楽しむことができた。

今回、篭定スペシャルを使った印象を列記する。

• 蛍光チモトやラメ糸の効果と思うが、キスの反応、特に良型の反応がすばやい。ほとんどのキスは、オモリの着底後すぐにきた。テスト的に一部分、普通のハリに交換してみたが、そのハリにはキスはヒットしなかった。
• 小型のキスはハリを呑み込んでいたが、良型キスは、ハリが全て口の端に掛かっていた。ハリ外れがしにくい設計なので、安心して大型が狙える。
• ハリ先が鋭く、またハリの強度も十分で、今回、引きの強烈なヘダイも掛けたが、ハリはびくともしなかった。
• 50連の仕掛け巻き本体も優れもので、2種類の切り込みを設けたのが良いアイデアだ。糸の調節が可能なのと、糸をしっかりキープできるので便利だ。

今回は、数狙いの本格的な引き釣りができなかったので、次回は、和歌山の海岸で5号前後のハリを使って束釣りをしてみたいと考えている。