なかなか水温が上がらず、食いの渋い状態が続いていた今季のキス釣り。気温が一気に上昇した１日、和歌山・美浜町の浜ノ瀬（煙樹ケ浜南端）に出掛け、「安・近・短」で小型ながら１０１尾のキスを釣った。

「安・近・短」はレジャーや旅行などで「安上がり、近場、短期間」を表わす言葉。今回は「安」は足場がよくて「安心」、「近」はポイントが「近い」ので手軽なタックルで十分、「短」は手返しが速いので「短時間」で数釣りができる、と置き換えさせてもらう。

午前４時過ぎ、釣り場に到着。すでに何人かが釣りをしていた。はやる気持ちを抑えて無料の駐車スペースに車を置き、すぐ目の前の浜に急いだ。

１投目から３連　１投目は午前４時半。２色（１色は２５メートル）のポイントに４本バリ仕掛けを投入し、ゆっくり引いた。このアタリを待つドキドキ感がキス釣りの魅力だ。

１色に入ったところでアタリが出た。周囲はまだ薄暗く、夜は完全に明けきっていない。仕掛けを速く引かずにゆっくりゆっくり引くと、ほかのキスが追い食いしてきた。波口までオモリを寄せて抜き上げると、小振りだが、きれいなキスが３尾ぶら下がっていた。１投目から３連！ホッとするとともに爆釣の予感がした。

やはりキスは釣れ続き、１色以内のポイントを効率よく攻めて数を伸ばした。サイズは小型がメーンだが時々、大きなアタリで１５センチ級もヒット。午前９時過ぎに１００尾を超えたので満足しながら納竿した。

理由は定かではないが、浜ノ瀬のキスは近いポイントにしかいない。軽くて軟らかい竿と小型リールに軽いオモリを使ったチョイ投げで十分だ。初心者の練習やファミリーフィッシングにはもってこい。一度、出掛けてみてはいかがだろう。なおトイレはなく、海は水深があって遊泳は危険なので、ご注意を。（報知ＡＰＧ・野村道雄）