「第４２期報知キス釣り選手権」の予選が５月２８日に徳島・北の脇、同２９日に鳥取・弓ケ浜で行われた。徳島予選は鈴木剛選手（柏崎サーフ）ら９人、鳥取予選は川上昭一選手（キス研島根）ら８人が９月１１日の選手権（徳島・北の脇＝予定）出場を決めた。

《主催》報知新聞社
《後援》全日本サーフキャスティング連盟
《協賛》（株）サンライン
《協力》キリンビール（株）、グローブライド（株）、東邦産業（株）

徳島予選の会場、阿南市にある北の脇海岸は、大型台風２号の接近で開催が心配されるほどの状態だった。しかし、前夜（２７日）からの雨は続いたが、波の高さは前日の３分の１。しかも、ほとんど無風状態で４時間の大会を見守ってくれた。

参加者は、今年も徳島、香川、高知、愛媛、岡山、兵庫、大阪、京都、和歌山、三重、愛知、岐阜、福井、新潟の各県から８５人がエントリー。にぎやかな雰囲気の中で、午前５時の開会式に続き、同６時から開始された。

今年は、やや不調で優勝ラインは３０尾ほどと予想されていたが、のっけからハプニングが続いた。

試合開始とともに、選手の仕掛けには「白いキス」ではなく、波打ち際に漂う「茶色い海藻」ばかりが入れ掛かり。台風２号がもたらした予期せぬ現象だった。

波に漂う海藻は、風によって移動する。だから、南東の風が吹いて、海藻が北に移動すると予想した多くの選手は、南寄りのポイントを選んだ。

この予想も裏切られた。風はむしろ、北からそっとなでるように吹いた。つまり、海藻は中央から南寄りに打ち寄せられて結局、北寄りのポイントに陣取った選手に幸運の女神がほほ笑んだ。

優勝した鈴木選手は、予想をはるかに上回って４０尾。２位の瓜生選手に１２尾差をつけた。

決勝進出９選手が入ったポイントは、９人中８人が北寄りで１人が南寄り。全体的には、予想通り昨年よりかなり悪い成績で、総数（７８３尾）も平均（９尾）も過去最低の記録だ。

だが、これは最後のハプニングだが、キスの大きさは目を見張るばかり。２３センチを筆頭に２０センチ前後が全体の３分の１ほどを占めた。過去最高の記録だ。
（徳島予選競技委員長・高橋康生）